2014/06/18

嘘つきなわたし




















選択肢を意図的に変えると言うのは、

本当に本当に、
力の要ることだなあと思います。

 *

助けを求めても、
求めても得られなかった経験は、

助けが来た時に
「大丈夫」と言ってしまう自分を作るなと。

 *

ここしばらくのわたしはパンク気味で、

本当に、別に何も
知りたくなんてなかったのに!

と参ってしまっていました。

理解出来たからと言って
情報が手に入ったからと言って、

何か良いことなんて
本当にあるのかな?と

自暴自棄気味でした。

 *

お友達には理解を示すのと真逆で
自分の感情をぶつけ、

「そんなの酷い!」みたいなことを
誰にも彼にも伝えて、

その度にみっともなく
どこででも泣いたりしていました。

 *

そんな日の中でも今日は特に悲惨で。

夜ご飯を待っていてもらっているのに、
外出先で泣き止むことが難しくて、

「今泣いていて、帰るのは少し遅くなります」と
連絡をしたのです。

 *

そうしたらお返事がありました。

「迎えに行こうか?」

わたしは驚いて、
「大丈夫」と断ったのですが。

でも、
はたと気がついたのです。

 *

そうだった、
わたしはいつもこういう時に、

独りぼっちになるのは
もうイヤだと思っていたじゃないか?と。

それなのに、
どうしてわたしは断るんだろう?と。

 *

瞬間に心を俯瞰したわたしは、

本当に辛くて参っている時だからこそ、
助けが欲しくて、

だけど。

ずっとずっと、
余りにも欲しかったのに、

ずっと得られなかった
こういう助けだからこそ。

独りでずっとやってきたからこそ、
もう大丈夫だと、

嘘を言って来たんだという自分に。

とうとう気がついたのです。

 *

嘘つきはわたしだ。

わたしはちっとも正直じゃなかったんだ!
ということ。

 *

大丈夫、ありがとう。
これからゆっくり戻ります。

といった内容を書いた後、

ありがたい。

とも書きました。

そうするとお返事があって。

今から行くね。

と。

 *

わたしは夜道を独りで
泣きながら歩きました。

 *

小さな子どもが涙を拭いながら
歩いているみたいに、

何度も目をごしごし擦って、
でも涙がどんどん出て来てしまって、

ちっとも枯れなくて。

 *

みっともないとか、
恥ずかしいとか、

そういう外側への余裕などは少しもなくて。

どうして、
どうして、
どうしてなんだ!

という、

確かに理解したいと思ったのは、
幼い日のわたしだったのだけれど。

こんなことならわたしはもう、

誰のことも理解するのはイヤだ、
もう解りたくないのに。

と、涙が次から次へと出て来てしまって。

 *

どの道を通るなんて
一言も言わなかったのに、

どっちの道を通るなんて
一言も言わなかったのに。

お友達からの電話と同時に、
ちゃんと道では彼女とすれ違って、

気がついてわたしが呼び止めて。

そして、
泣きながら帰りました。

 *

彼女の手が、ずっと背中にあって。
温かく。

歩きながら、
沢山泣きました

 *

やっと助けを受け容れられたのです。

こんなにも、
ただ、

居てもらうことが難しかったなんて。

 *

嘘つきだったのは、
自分だったのか。

と。

わたしは無意識に

本当に欲しいものを
目の前で断っていたのかも知れない…と。

 *

ああ、これが
フィルターだったのか…。

と。

また1枚
その色彩が消えていくのを感じているのでした。


ストーン・コンシェルジュ & 作家 みたけさやか

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