2013/11/24

悲しみのストーリー




















自分でも気がついていなかった、
泣き忘れていたことがいくつもあります。

 *

その時は
目の前の出来事に驚くばかりで、

その状況把握のために
脳みそを容量一杯使ってしまっていて、

自分の内面に起こっている葛藤や感情と
向き合う余白が全くなかったようなことについてです。

 *

当時わたしは、
27〜28歳だったと思います。

新しいBF と同棲を始めて
しばらく経った頃でした。

ある日、
玄関先にまとめておいていた給与明細を

出掛けの彼が、

ふと手に取って観ていたのが
出来事の始まりだったように思います。

 *

わたしは、年収およそ700万円でした。

高額の給与で有名だった会社に勤めていたことと、
とにかく働いていたことの

両方があったためだと思います。

 *

とはいえ、同期の仲良しは
もっともらっている風だったので、

金額については、
気にも止めていませんでした。

とにかくわたしは
美大生時代が節約節約の日々だったので、

「欲しいものが気にせず買えて社会人っていいな〜!」
位なものでした(笑)。

働いてばかりで遊ぶ暇もなかったので
中古のマンションも早々に買うことが出来たし、

社会人になるって、
こういうところはすごくいいなあ!

と素直に思っていました。

 *

しかし、彼との出来事は
この感覚を決定的に変えました。

 *

彼は、すごく嫌そうだったのです。

そう、別の会社でサラリーマンをやっていた
3つ年上の彼の年収はわたしよりも低かったのです。

 *


同じ仕事の中身をやっていても、
稼げる金額が違うことはあります。

1人の人でも人生において

稼げる時期と
そうじゃない時期があって当り前だと思います。

そんなことで他人を判断など、
一度もしたことがありません。

でも。

XBFにとって
それは大きな価値だったのかも知れません。

年収が100万、
3つ年下のわたしの方が高かったことは、

度々浮気をする理由になってしまう位の
ことだったのかも知れません。

彼はいつも
自分より弱い立場の女性達に声をかけて

食事をごちそうしていたりしていたのです。
そしてそれ以上のこともありました。

 *

自信を取り戻し、
元気になる度に起こる浮気事件。

わたしがお金を稼げることに対する
否定的なニュアンスの数々。

今思えば!
それは酷く悲しいことでした。

 *

わたしのことが
大事だったのではないのだなあ…と思うのです。

わたしではなくて、

年収が自分より低くて、
自分より元気がなくて、

助けてあげないと
生きていけないような女性が

好きだったのではないかなあ…と思います。

それはわたしのことではないし、
わたしの一時的な表面ではあったけれど、

わたしの本質でも、わたしの平常でもなかった。

 *

なのに、
わたしは彼にとても感謝をしていて、

とても好きだったのだと思います。

彼の抱えている痛みを見つけては、
救い出したい!という欲望にもかられていました。

必要なのは、彼を癒すことではなく
わたし自身の課題に取り組むことだと気がついた後も、

どこかしらその気分は抜けきれず、

彼の心臓が1度止まって、息を吹き返した後に、
彼の母親から心ない言葉を浴びるまで、

わたしは彼から
離れることが出来ませんでした。

それでも好きだったから。
それでも好きでいて欲しかったから。

だから、こうやって
酷いショックとして抱えているのだと思うです。

 *

お金は、

あるから偉いとか、すごいとか、
あまり関係がないと思うのです。

だからって
幸せかどうかさえ怪しいと思います。

大事なのは、

その人が満たされているかどうか?
なのではないか?と思えるのです。

それは突き詰めて行くと、
金額の大小には然程左右されていません。

 *

わたしは当時
自分が余りにも仕事が出来ていないと感じていました。

仕事をまじめに一生懸命やった結果、
お金が入って来ていたのです。

それは、わたしが文字通り必死に
一生懸命やった結果の副産物であって、

わたし自身の価値でもないし、
それこそ相手と比較するような中身ではなかった筈です。

それがキッカケで
心に距離が出来てしまったのは、信じ難いことでした。

 *

あのとき、何も理解が出来なくて、
何が起こっているのか解らなくて、

ただただ緊張して呆然としてたけれど。

わたしは、悲しかったんだ…。
本当にものすごく悲しかったんだ。

ああ、この人、わたしのことを観てないんだなって、
はっきり解っちゃったんだ。

でも好きだったので、悲しかったんだなあ、きっと。

と思うのです。

 *

色んな価値観があっていいと思います。

お金がいっぱいある人が素敵!と
思う人が居てもいい、

お金がいっぱいあって、
女は養うものだ!と思う人が居てもいい。

でも、わたしは違ったのです。

 *

パートナーシップの根本は、

そこに居て目が合った時
「Yes」と、言えるかどうかなんだと思います。

対人関係の根本は、
そこにあるように感じています。

それだけあれば良かったのに。
6年半も居たのに伝わらなかったんだねえ…。

と、思うのです。

 *

今、大切に想う人が現れて、
そしてこの恐怖がよみがえってきています。

稼げるわたしは、
女としての価値がないのではないか?

という。
文字にするとなんだか意味不明な内容です。

でもこれが恐怖なのです。

稼げると、わたしは大切なものを
また決定的に失ってしまうのではないか?

という懸念がわいて来るのです。

 *

昔は元気になることも怖かったです。

でも
元気でいることについては、

随分と前に
某社の代表をなさっている先輩から、

「さやかが元気だとうれしいよ!」と
おっしゃっていただいて、

ああ、元気なだけでも喜んでくださる方が居るんだ!

元気で良いんだ、
元気でも受け容れてもらえるんだ!

と思えました。

わたしもこの時に記事を書かせていただいています。

 *

まだ心に暗闇としてだけ残っているのは
お金のこと。

insight logic を使ってこの出来事を見つめれば、

それは自分が固定したアングルからだけ
物事を捉えている、

いわば、
ストーリーであることは一目瞭然です。

そしてお金と存在価値を結びつけていたのは、
XBF であり、わたしではないことも明らかです。

それなのに、

自分がお金を稼ぐことと
大切な人が居ると条件下において、

ものすごい勢力を発揮しているこの感情。
どうしたものかと思うのです。

 *

ここしばらく
どうしてもご請求が出来なくて、

どうしてもどうしても先延ばししてしまったり、
仕入れてきたクリスタルはあげてしまったり。

リハビリは終わったなあ。
ようやくお仕事がちゃんと出来るなあ…と

感じ始めた途端に、

コツコツ貯めてきたお金も
あっという間に使ってしまっていて、

何だろう…おかしいなと思っていたのです。

 *

画像の荒れた、
古いビデオテープのような再生なのに、

その恐怖感だけは鮮明で、
わたしの足を引っ張っているのです。

 *

心底大切に想える人が居るのは、
幸せなことの筈なのに。

それが、
もうひとつわたしの幸せなことである

お仕事を精一杯やることを
足止めしています。

しかも今、BF は不在なのに。

 *

ねえ、さやか。

あなたが仕事が大好きで、
一生懸命やった結果お金が入ってきたとして、

どうしてそれが
好きな人との関係を悪くするの?

安定収入を得て、
昔みたいに堅実にお金を使える人の方が、

パートナーとして安心じゃない?

生活全般が得意じゃない代わりに、
稼げるならそれでもいいじゃない?

どうしてダメなの?何がダメなの?

そんなことであなたを判断する人のことを
これからも好きでいるつもりなの?

 *

わたしの答えは、No です。

わたしはお仕事を一生懸命やって、
安定収入を得て、

両親も安心させたいし、
お友達にプレゼントもあげたいし、

みんなと美味しいものを食べに行ったり、

美しいものを観たり
旅行をして感動を共有したり、

色々したいです。

 *

自分を追いつめるストーリーからは
降板したい。

久しぶりに瞑想でもやろうかな。
と、思います。


ストーン・コンシェルジュ & アクセサリー作家 みたけさやか

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