2012/11/26
エスパス ルイ・ヴィトン東京
表参道のヴィトンの7階には、
現代アートのギャラリーがあります。
この日は、青木と一緒に
エルネスト・ネトの
「Life is a body we are part of」を楽しんできました。
そう。
鑑賞ではなく「楽しんで」!
作品の中を登っていけるのです。
*
巨大な編み物の中に、
プラスチックボールが詰め込まれていて、
その中をぐんぐん登って行くと、
やはり編み込まれた子宮のような広い空間へ招かれます。
ハイヒールを脱ぎ捨てて、
「何これ〜(笑)!意味がぜんぜん解らない〜(笑)!」
とか言いながら、
「ちょっと結構高いところまで登ってきていて、恐いな」
とか言いながら、
その編み込まれた道を
ゆらゆらと揺れながら、
ぐいぐい登っていくのです。
*
足下は、大量のボールで構成されていて、
ボールの敷き詰められ方によっては、
深い雪にハマった時のような、
居心地の悪さを感じます。
この身体性の再体験は
ここしばらくクリスタルの世界が表現している
「身体的クリスタルの出現」と同じベクトル上にあると感じ、
非常に現代的で、
それは感動的でさえ在りました。
*
わたしはこの彫刻作品の中で青木と一緒に寛ぎながら、
体内をとても感じたのですが、
後でカタログをいただいて読んでみるとそこには
これは安定感を扱った作品です。
私たちがどのように動き、欲しがり、恐れるか。
この作品を通じて生み出そうとしているのは、
体をなしている場、あるいは動物的な場であり、
同時に私たち自身にとっての風景です。
という言葉が記されており、
感じていることは意図の範疇なのだなあと思いました。
また、
このタイトルを通して異議を申し立てたい対象は、
人間を宇宙や多元宇宙等々の中心に据える人間観です。
精神を、
自然を超えた超自然的なものとして肉体から切り離す考え方、
文化か自然から脱したもの、
自然の一部ではないもののように捉える考え方です。
ともあり、
これらが体験として
確かに非常に理解出来る作品なのです。
*
わたしは、ネトの意見を、
全面肯定する訳ではありませんが、
その異議は「真実のひとつの側面」であると感じるし、
体験してみることはおススメします。
その感覚の再認識は、
現代社会が忘れかけバランスを逸する原因となっている
身体感覚を
明らかにする
大きな引き金ではあると感じたからです。
*
一方で、わたしは
身体から離れて無限に広がる精神の領域も、
ちゃんとあるように感じています(笑)。
わたしの主張があるとしたら、
その両方を受け入れることが大事なのではないかな?
ということでしょうか(笑)。
*
現代の子供達が、
身体を使って遊ぶ楽しさから離れているのだとしたら、
それは大きな損失だと思います。
身体を通して感じる「恐さ」「達成感」みたいなものは、
身体を通してしか得られないものの筈です。
ここには、
生き物としての人と人とが通じ合える
共有出来る大きな感覚が存在しているなあと感じます。
それらは、
わたし達人間が、
人間らしく世界と対峙するために、
もしかしたら欠かせない要素なのではないかな?
と思えてならなかったのです。
*
来年はやっぱり散歩しよう。
もうちょっと身体を使おうと思った展示でした。
楽しかったです!
*
2013年1月6日までの開催だそうです。
頭が疲れて
リフレッシュ方法に悩んでいる方が居たら、
ぜひこの通路を登りにいってみてください。
そして子宮のような空間で、
寛いでみてください。
出来れば、
一緒にキャーキャー言えるお友達と一緒に♪
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