2014/01/30

ひとりぼっちにならないで欲しい
















初めて買った
大きなシトリンのフリーフォーム。

両手で包み込むのは難しい、
それなりの大きさがあります。

当時のわたしには、

数万のお金を
クリスタルに使うのは、

正直、異常事態でした。

 *

それでも手に入れたのは、

当時おつき合いしていた
BF の心臓が止まって、

息を吹き返した彼との時間が
始まっていたからだったと思います。

 *

かれこれ10年程前のことで
時系列の記憶が曖昧ですが、

その時のどこかのタイミングで、

わたしは、
このクリスタルを買いました。

必死にPC に向かって
キーボードを叩いた遠い記憶があります。

 *

当時ショップをやっていた彼女とは
面識はなかったのですが、

優しい優しいクリスタルを選ぶ彼女には
どこか親しみがあり、

わたしは思いのたけを書き綴り、

まだあったら
そのシトリンを買わせてください、と

お願いをしたのでした。

 *

届いたのはシトリンと、
いくつかのクリスタルでした。

買ったものよりも、

遥かに多いクリスタルが
一緒に送られて来たのです。

息を吹き返した彼の分も含めてです!

 *

もし、あなたのお友達の
パートナーの心臓が止まって、

しかし息を吹き返し、

相手の身内の方から
心ない言葉をかけられて、

その後何やら大変な状況になっていたとしたら…?

あなたはその人に
なんと声をかけますか?

 *

わたしには、
クリスタルは言葉以上のものでした。

本当は知らない彼女が、

わたしのために
選んでくれたクリスタルが届いたことは、

クリスタルが運んで来てくれた
「想い」に触れたことは、

信じられないことでした。

何か、とてつもない
奇跡みたいなものでした。

 *

ギリギリに追いつめられた
気持ちの糸がぷつんと切れて、

わたしは包みから現れた
いくつものクリスタルを前に、

初めて号泣したのです。

 *

相手が

わたしの気持ちのために
選んでくれたクリスタル達が、

目の前にありました。

わたしはそれを抱きしめて、
かなりの時間号泣しました。

怖かったし、辛かったし、心細かった。

それを初めて素直に感じられたのです。

 *

それが、
身近な誰からでもなく、

遠くの他人から届いたこと。

もちろんそれには
オーダーという行動をしたわたしが居て、

自分の支えになる何かが欲しいという
意図を伝えたからだったのですが、

伝えた時に、
応えてくれる人が居たという現実と、

それがクリスタルというカタチになって
こうして両手に持って、

抱きしめられるということの
すさまじい慰めは、

きっと他のものでは
あり得なかったように思います。

チョコレートや苺や、
ぬいぐるみじゃダメだったと思います。

 *

わたしは、当時
誰にも言えなかったのです。

わたしが「助けて」と言う時、

それは崖っぷちで
もう本当にギリギリの時でした。

ただ、あまりにも冷静に
理路整然と無理であることを伝えてしまうわたしを、

本当にヤバいぞ!と
気がついてくれる人は、

当時…誰も居なかったのです。

わたしはそれで何度も失敗してきました。

でもどうして伝わらないのかには
気がつけていませんでした。

だから、
伝えるのは怖かった。

出来なかったのです。

 *

だからこそ、
見ず知らずの誰だか解らない、

でも素敵なクリスタルを選んでいた、
彼女に伝えたのだと思います。

 *

パーソナルストーン・オーダーを始めたのには、
そういう熱い体験があります。

 *

クリスタルは不思議なものです。

「こういうの持たないことにしてるんだよね」
と言う人でも、

「さやかさんからのものだから、
ありがたくいただくよ!ありがとう、大事にするね」

と受け取ってくれたりします。

「気休めになれば」と、
厳しい曲面に向き合っていらっしゃる経営者さんに

そっとお渡しすることも在ります。

その後、
元気を取り戻されるのを拝見して、

こちらが驚くことも多いです。

きっとそれが
「何か」であることを、

受け取ってくださる
お友達や経営者仲間のみんなは、

言葉以上に
心の何処かで気がついているのではないかな?と

思うことがあります。

それは間違いなくただのクリスタルです。

だけど、
「何か」でもあるのです。

 *

ひとりぼっちにならないで欲しい。

ちゃんと居るよ、
ちゃんと在るよ。

そうして触れて感じてみて欲しい。

感じられている自分や、
その背後にある世界との繋がりの妙を。

もう何もないと思った時にも、

手のひらの中の重さが
支えてくれる存在があるということを、

心の片隅でいいから、
覚えておいて欲しいなと思うのです。

 *

その時、
彼女が選んでくれたクリスタルは、

レッドジャスパーでした。

わたしは長年
このクリスタルが理解出来なくて、

ずっと見えないところに
こっそり置いていました。

でも、

誰にも譲れなかったし、
捨てることも出来ませんでした。

 *

一昨日、初めて、

レッドジャスパーについて、
深く理解した気がします。

独りぼっちじゃない。
確かに「在る」ということ。

ただ、クリスタルが在る、ということは、

石があるということ以上の
何かなのだなというのは、

わたしにとって、
本当に奇跡だったなと思います。

もし、支えが必要なときは、
思い出してください。

わたしでよかったら、

あなたのために、
クリスタルをお選びしてきます。


ストーン・コンシェルジュ & アクセサリー作家 みたけさやか

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