gaku くんという木彫作家さんを知ったのは、
以前たなかみほちゃんが
素敵な木彫りのネックレスをしていたことからでした。
心惹かれるものがあって、
「素敵だね~!」と話していました。
即座に欲しいなと思ったのですが、
なにせ節約必須な毎日なので、
機会があったら、と思っていました。
*
震災後。
その彼が、
実は福島の原発から20km圏内に住んでいて、
家に帰れない。
そして今東京に居る、
と聴いた時に、
彼がもし作る意欲が湧くのであれば、
作品を作ってもらおう、
と思いました。
彼の作品を手にするのは
こんなタイミングなのか、とは思いつつ、
みほちゃんに紹介して、と
即座にお願いをしました。
*
5月、gaku くんと会うことが出来ました。
持ってきている作品を
見せてもらいました。
その時の作品は、
出来れば改めて紹介したいなと思っています。
彼の木彫はもう、
ひとつずつ丁寧に大切に作りこまれた、
とてもいいものでした。
*
ちょっとずつ
作る意欲が湧いてきている話だったので、
アクセサリーを作っていただくことにしました。
gaku くんが引き受けてくださって、
本当にうれしかったです。
*
わたしにはひとつの想いがありました。
自分が入院中にベッドの上で、
大量の薬に意識朦朧とする中で、
時には泣きながら、
絵を沢山描いていたこと。
それによって
自分と向き合って、
確実に心を立ち上げてきたこと。
作る人は、作ることで自分を取り戻せる。
そんな強い確信。
記憶にあったgaku くんの羽は、
本当にモノづくりをする人の作品でしたし、
彼が福島から持ち出せていた
いくつかの作品を見せていただいて、
こういう人は、作った方がいい。
と強く思ったのでした。
そんな勝手な想いがありました。
*
作品が出来たという知らせを受けて、
出来れば直接会って受け取りたいと思いました。
お茶をしましょうということで
日曜日に会い、
3時間ばかり、
2人でおしゃべりをしました。
*
作っていただいた作品。
全然感動が写しこめてなくて、
なんかもう嫌になるなあと思うのですが、
観てください。
なんだか、
すごいな、という感動があり過ぎて、
早く開けたい!とか、
そういう気持ちも随分あって、
シャッターを押しても、
感動を写し取るだけの余裕が全然ありませんでした。
ゆっくりじっくりしにくいのは、
東京病かも知れません(笑)!
*
箱は、竹筒です。
そこに焼きで、
彼の鳥と、サインが刻まれています。
あるもので、
出来る範囲のことを
想いを持って行なう。
こうやってカタチにされてしまうと、
ああ、本当に参るなあと思います。
*
開けて出てきた「ありがとう」の気持ちには、
正直、更に参りました。
こちらこそ、ありがとうだよ!と思います。
*
5月にgaku くんと一緒に選ばせていただいた、
手彫りの羽2枚は、
レインボームーンストーンを伴ってやってきました。
さやかさんには、
細い紐が合うと思って、
といったことを話してくれました。
この人は、
ちゃんと人の持つ空気を観て、
モノづくりが出来るのだなあ。
と思いました。
相手の感覚に寄り添えるかどうかは、
作家としてはクオリティの分かれどころだ、
という気持ちがあるのですが、
わたしにはまだ遠く及ばすの世界です。
彼はもう、
自分の作品を活かしながら、
相手に寄り添えるだけの力量があるのだなあと感じ、
ああ、すごいなあと思いました。
作っていただけて良かった、
と思いました。
*
原発事故によって、
思い描いていた未来が
めちゃくちゃになってしまった
gaku くんですが。
先月よりもずっと元気でした。
作ることって
向き合うことなんだと解った
といったことを話してくれていました。
そう。
その感覚。
ちょっと偉そうだけど、
取り戻してくれてありがとう、と思います。
*
お家に帰ってきて、
写真を撮りました。
気がついたら3時間もおしゃべりをしていたので、
すっかり夜。
照明を用意する余裕もなく、
良さの半分も伝わらないのですが、
今、ポートフォリオの提出期限と、
決算とが待っている中で
制作時間を確保するために実に余裕がないので、
ホントにごめんなさい!
でもでも、
お見せしたかったのです。
先送りにせず、
今日のうちに記事も書きたかったのですよ。
*
作品を受け取って、
こちらが励まされてしまいました。
震災後、わたしが
制作の際に使っているのも
実はレインボームーンストーンです。
わたしにとって鳥は、
常に幸運を運んでくれる生き物です。
羽とクリスタル。
しかも、レインボームーンストーン。
本当に本当にありがとう、と思います。
*
帰宅途中、
作っていただいた作品を観ながら、
わたしはここまで作れているだろうか?
と自分を省みました。
彼はおしゃべりの中で「想いを伝えたい」ということを
本当に繰り返し話してくれたのですが、
作品というのは、
言葉よりも常に雄弁に物語っているものですよね。
一切誤魔化せません。
全部出てしまいます。
想いを持って
こうして作られたものから伝わってくる感触は、
得がたいものだなあと思います。
なんというか、
魂を分けてもらっている感触と言うか(笑)。
上手く言えませんけれど。
わたしはまだまだだなあと、思います。
お客さまに、
ここまでのものを届けられるようになりたい。
もっといいものを作れるようになりたい
と思います。
*
独り反省会はこの辺にして。
*
福島の桜の木から掘り出された羽。
とにかく手にとれて
本当にうれしい作品でした。
ずっと大切にします。
gaku くん、本当にどうもありがとう。
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