2010/07/25

森戸海岸
















昔、
ほんの少しだけですが、

葉山に、
森戸海岸の近所に住んでいました。

神社の裏手に、
お気に入りの岩場があって、

そこからぼーっと海を眺める時間が好きでした。

 *

今思うと、当時は

本当に限界の一歩手前で、
大変な時期だったのですが、

不調に気づいていても
手立てがないように思えて、

精一杯暮らしていたのだなあと思います。

 *

だけど、その岩場から見た、

藤色を背景にうっすらを現れた富士山や、
絵画には絶対に落とし込めない天空の色彩や、

見知らぬ人とそれを共有できる程の感動は
今も生々しく残っています。

普段はかすんで姿を現さない富士山の
とてつもなく大きかったことや、

どんどん変わってゆく
天空のグラデーションは、

恐怖に打ちのめされそうな心にあっても、
余りにも美しかったです。

 *

フェレットの将太との最期の時間や、

遠くから駆けつけてくれた友達の手料理や、
突然届いた白い花束や、贈り物に込められた気持ち、

沢山のものを受け取れ切れなかった
自分の限界や、

色々なものを。

今、とても懐かしく思います。

そして、
涙が出ます。

 *

おやすみなさい。
素敵な夢を。


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