2011/03/06

絵画を楽しむ
















ドイツ人画家、
マルティン・ファウゼルさんの絵を観て来ました。

東京から小田原に向かう途中の
富水にある

「すどう美術館」という、
本当に小さな小さな美術館での展示でした。

 *

薄いアクリル絵の具を
何十にも重ねた深みのある色彩に、

静かに横たわる抽象的なモチーフが
ひどく印象的な絵画です。

 *

マスコミの踊らされた
刺激を求める脳みそには、

最初とっかかりが見つかりにくい位の
なんとも言えない静けさ。

場の静けさに助けてもらいながら、
ゆっくり感じる心を取り戻して、

遠くから
近くから、

彼の絵画を見つめているうちに、
ハッとする距離を見つけて、

そのまま何分も佇んでしまいました。

 *

それはどちらかというと暗い絵だったのですが、

やわらかなブラウンの中に、
優しく温かなコーラルが彩られた

抽象的な人物画でした。

館長さんにお聴きしたところ、

それはファウゼルさんの
奥さまを描かれたものなのだそうです。

 *

近すぎても遠すぎても
良さが伝わりにくい気がしました。

絵画の前に立ち、
80センチくらいの距離に感じるものがある、

とても繊細な絵画でした。

 *

ふと自分のやらせていただいている
Holly heal について思いを馳せました。

多分、クリスタルの世界も、

こんな風に静かな世界だなあと。

 *

決して

向こうから浴びせかけるように情報を発し、
そこに人の意識を巻き込むようではなく

こちらから意識を向けるまでは、
ただ、そこに居てくれる。

こちらが感じる気持ちを発揮すると、
微かに囁きかけてくる。

心が通い始めると、
深遠な世界に連れて行ってくれる(笑)。

なんとなく、そんな。
ホッとする。

似通ったものを感じました。

 *

ファウゼルさんの絵画を感じながら、

Holly heal の世界も、
静かなのかも知れないなあ…と思いました。

ばーんとインパクトのある在り方とは違って、
もっとずっとささやかな印象で。

静かだけど、

何度も観てしまうような、
気にかかり方をする。

そんな時に、
自分の内側にある、

静かで穏やかな流れを思い出したり、
感じ取れたりして、

ああ、良かった…とホッとできるような。

そっと、居る感じ。

心の居場所はここだよ、と
思い出させてくれるような。

そんな在り方。

一見薄暗いその中にあるからこそ、
輝きをしっかりキャッチできる、

そういう感じ。

 *

アクリル絵の具によって作られた
薄いベールの一枚一枚が、

微妙な色彩と
独特の深みをかもし出す絵画で、

じわじわ感じるものがありました。

 *

印刷物では表現しきれない、

微妙な色彩を生み出せる
ある種の根気強さ。

寡黙さ。

実際彼は静かな人なのだそうです。

 *

パッと見て、

好きとかキライとか、
素敵だなと判る感じではなくて(笑)、

彼の心のひだの中に
そっとそっと寄り添いながら、

味わうような絵画でした。

観に行けて良かったなと思いました。


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