ドイツ人画家、
マルティン・ファウゼルさんの絵を観て来ました。
東京から小田原に向かう途中の
富水にある
「すどう美術館」という、
本当に小さな小さな美術館での展示でした。
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薄いアクリル絵の具を
何十にも重ねた深みのある色彩に、
静かに横たわる抽象的なモチーフが
ひどく印象的な絵画です。
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マスコミの踊らされた
刺激を求める脳みそには、
最初とっかかりが見つかりにくい位の
なんとも言えない静けさ。
場の静けさに助けてもらいながら、
ゆっくり感じる心を取り戻して、
遠くから
近くから、
彼の絵画を見つめているうちに、
ハッとする距離を見つけて、
そのまま何分も佇んでしまいました。
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それはどちらかというと暗い絵だったのですが、
やわらかなブラウンの中に、
優しく温かなコーラルが彩られた
抽象的な人物画でした。
館長さんにお聴きしたところ、
それはファウゼルさんの
奥さまを描かれたものなのだそうです。
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近すぎても遠すぎても
良さが伝わりにくい気がしました。
絵画の前に立ち、
80センチくらいの距離に感じるものがある、
とても繊細な絵画でした。
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ふと自分のやらせていただいている
Holly heal について思いを馳せました。
多分、クリスタルの世界も、
こんな風に静かな世界だなあと。
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決して
向こうから浴びせかけるように情報を発し、
そこに人の意識を巻き込むようではなく
こちらから意識を向けるまでは、
ただ、そこに居てくれる。
こちらが感じる気持ちを発揮すると、
微かに囁きかけてくる。
心が通い始めると、
深遠な世界に連れて行ってくれる(笑)。
なんとなく、そんな。
ホッとする。
似通ったものを感じました。
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ファウゼルさんの絵画を感じながら、
Holly heal の世界も、
静かなのかも知れないなあ…と思いました。
ばーんとインパクトのある在り方とは違って、
もっとずっとささやかな印象で。
静かだけど、
何度も観てしまうような、
気にかかり方をする。
そんな時に、
自分の内側にある、
静かで穏やかな流れを思い出したり、
感じ取れたりして、
ああ、良かった…とホッとできるような。
そっと、居る感じ。
心の居場所はここだよ、と
思い出させてくれるような。
そんな在り方。
一見薄暗いその中にあるからこそ、
輝きをしっかりキャッチできる、
そういう感じ。
*
アクリル絵の具によって作られた
薄いベールの一枚一枚が、
微妙な色彩と
独特の深みをかもし出す絵画で、
じわじわ感じるものがありました。
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印刷物では表現しきれない、
微妙な色彩を生み出せる
ある種の根気強さ。
寡黙さ。
実際彼は静かな人なのだそうです。
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パッと見て、
好きとかキライとか、
素敵だなと判る感じではなくて(笑)、
彼の心のひだの中に
そっとそっと寄り添いながら、
味わうような絵画でした。
観に行けて良かったなと思いました。
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